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御施餓鬼の意味

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御施餓鬼(おせがき)といいますと、「ああ、あの暑いときの行事だな」とご存知の方も多いかと存じます。
前回お話したお盆(盂蘭盆会)御施餓鬼は一対をなすものでして、今回はこれについてお話しましょう。

施餓鬼という字を分解してみると「餓鬼に施す」となります。なぜ「餓鬼に施す」ことがお盆と対をなしているといえるのでしょうか?

お盆の時期になると、ご先祖様たちはそれぞれの子孫の家を訪れます。これを出迎え供養するのが盂蘭盆会ですが、中には帰る家がない、あるいは帰れない者たちがおり、それらが餓鬼となります。
餓鬼とは、食べようとするものにはトゲが生え、飲もうとするものは火と変じてしまうという苦しみを持った存在です。

彼らを供養し慰め、食べ物をご馳走する法要、それがお施餓鬼の行事であり、それゆえ法要の際にあげるお塔婆では「無縁一切精霊」を供養することになっているわけです。
これがお盆と一対の行事であるといった理由です。

お施餓鬼の際、小さな旗をご覧になったり、持ち帰られたりした方がいるかと思います。
あれは「施餓鬼旗(せがきばた)」といい、昔は虫除けのお守りとして持ち帰り、畑に立てたものです。

畑の野菜が虫に食われるのは、餓鬼に食われたからだ、と考えていたからで、「うちはもう施したんだから、食べないでおくれよ」という意味があったのでしょう。

22世住職 光史